「沖縄に住むなら、車は絶対に必要だよ」
移住を考えて情報を集め始めると、必ずと言っていいほどこの言葉に出会います。実際に沖縄の人に聞いても、返ってくる答えはほぼ同じです。
でも、本当にそうでしょうか。
結論から言えば、住む場所と働く場所が那覇市内なら、車がなくても生活は成り立ちます。筆者は埼玉から故郷の沖縄に戻って6年になりますが、いまだにマイカーを持っていません。それで困ったことは、ほとんどないのです。
この記事では、沖縄で住むのに車が必要かどうかを、2026年時点の実際の費用データをもとに検証していきます。これから移住を考えている方の参考になれば幸いです。

この記事の筆者:「うどまる」
沖縄在住。
建設業とトラックドライバーを経て、2021年よりブロガー兼Webライターとして活動中。
簿記3級とFP3級資格取得者。
沖縄で車が必要かどうかは「住むエリア」で決まる

沖縄と一口に言っても、公共交通機関の充実度は地域によって大きく違います。まずは、車が必要なエリアと不要なエリアを整理しておきましょう。
車がなくても暮らせるのは、ほぼ那覇市内だけ
沖縄本島で鉄軌道が走っているのは、沖縄都市モノレール「ゆいレール」だけです。現在は那覇空港駅からてだこ浦西駅まで19駅、那覇市内を東西に貫いています。
那覇市に住み、那覇市内の職場に通うのであれば、この19駅と路線バスの組み合わせでほぼ用が足ります。実際、那覇市内の会社の多くは駅やバス停から徒歩圏内にあり、通勤で困る場面はそんなに多くはないです。
筆者は在宅勤務なので通勤自体がありませんが、自宅から徒歩15分にモノレールの駅、すぐ近くにバス停があります。この環境であれば、仮に会社勤めになってもさほど不便は感じないはずです。
うどまる沖縄県民は歩くのが嫌いなので、徒歩15分でも遠い!という人もいます
那覇市以外は「あった方がいい」ではなく「ないと厳しい」
一方、那覇市を一歩出ると事情は変わります。
ゆいレールは浦添市のてだこ浦西駅までしか延びておらず、それより北はバスのみ。しかも本数は決して多くありません。中部・北部で暮らすなら、車は現実的に必須と考えたほうがいいでしょう。
宮古島や石垣島などの離島も同様です。観光地としては栄えていても、日常の買い物や通院を公共交通機関だけでこなすのは無理があります。
「沖縄は車社会」は事実です。ただしそれは那覇市外の話、と分けて考えてください。
車が必要だと主張する沖縄県民の本音

以前、那覇市に住んでいる知人にこう聞いたことがあります。
うどまる那覇に住んでて、車必要?
知人え?そりゃいるでしょ。沖縄じゃ車は必須だよ。車買わないの??
うどまるそう?別に要らないけどね。乗りたい時はレンタカー借りればいいし
知人え~、それって面倒くさいさ。絶対買った方がいいって!
うどまるでも、昔と違って今の沖縄はモノレールもあるし、大抵はそれで事足りてるよ
知人モノレールで行ける所は限られてるし
うどまる要するに、駅やバス停から歩きたくないだけでしょ?(笑)
知人まあね(笑)。夏なんか歩くと暑くて大変だよ。会社まで汗かきたくないし
このやりとりに、沖縄の車社会の本質が詰まっていると思います。
沖縄の人が車を手放さない理由は、移動手段としての必要性よりも「歩きたくない」という快適さの問題であることが少なくありません。那覇市在住の人は特にそう感じます。実際に近所のコンビニまで車で行く人も珍しくないほどです。
沖縄は県外のように電車通勤が当たり前だった文化がなく、駅まで歩く習慣そのものが根づいていないのです。加えて、夏の日差しは本当に容赦がありません。県民の感覚としては、ごく自然な結論だと言えます。
うどまる僕は県外で電車通勤の経験があるので、歩くことには抵抗はないです
知人沖縄にずっと住んでると、車で移動が当たり前になってくるんだよね
那覇市の通勤コストを3ルートで比較してみた

では実際のところ、車と公共交通機関ではどちらが安いのでしょうか。今回は首里駅を起点に、那覇市内でも乗降の多い3駅への通勤を想定して計算してみました。
比較条件
比較対象は、モノレール・バス・マイカーの3パターンで、それぞれ、1ヶ月にかかる費用を計算してみました。
また、以下の項目を条件にしています。
1)調査対象車:ホンダNBOXグレードG 2WD 燃費21.2km/L (WLTCモード)*
*WLTCモードとは:市街地、郊外、高速の走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モードのこと)
2)マイカー通勤もバス通勤も交通渋滞は考慮していません。
3)出勤日数:21日(土日休み+祝日が1日あると仮定)で計算。
4)ガソリン料金:178.4円/L(2026年7月6日時点の沖縄県平均・レギュラーガソリン)
5)モノレール、バスは通勤定期(1ヶ月)で計算
ルート別のガソリン代・バス代・モノレール定期代
起点を首里駅にして、行き先を「おもろまち駅」「県庁前駅」「小禄駅」の3駅で設定しました。
①首里駅⇄おもろまち駅(往復約7.4km)

- モノレールの場合
・乗車料金:10,140円(1ヶ月定期)
・所要時間9分(片道) - バスの場合
・乗車料金:9,800円(1ヶ月通勤定期)
・所要時間約13分(片道) - 車(マイカー通勤)の場合
・ガソリン代を計算
往復距離7.4km×出勤日数21日=155.4km(1ヶ月の走行距離)
155.4km(1ヶ月の走行距離)÷21.2km/L(燃費)=7.33L(1ヶ月のガソリン使用料)
7.33L(1ヶ月のガソリン使用料)×178.4円(ガソリン平均価格)=1,308円
・所要時間往復約22分 往復距離7.4km(県道29号経由)
1ヶ月のガソリン代はおよそ1,308円
(※ガソリン代は2026年7月6日現在の沖縄県平均で計算)
②首里駅⇄県庁前駅(往復約11km)

- モノレールの場合
・乗車料金:11,310円(1ヶ月定期)
・所要時間16分(片道) - バスの場合
・乗車料金:9,800円(1ヶ月通勤定期)
・所要時間約23分(片道) - 車(マイカー通勤)
・ガソリン代を計算
往復距離11km×出勤日数21日=231km(1ヶ月の走行距離)
231km(1ヶ月の走行距離)÷21.2km/L(燃費)=10.9L(1ヶ月のガソリン使用料)
10.9L(1ヶ月のガソリン使用料)×178.4円(ガソリン平均価格)=1,945円
・所要時間往復約30分 往復距離11㎞(県道29号経由)
1ヶ月のガソリン代はおよそ1,945円
(※ガソリン代は2026年7月6日現在の沖縄県平均で計算)
③首里駅⇄小禄駅(往復約17.2km)

- モノレールの場合
・乗車料金:12,480円(1ヶ月定期)
・所要時間24分(片道) - バスの場合
・乗車料金:9,800円(1ヶ月通勤定期)
・所要時間約22分(片道) - 車(マイカー通勤)
・ガソリン代を計算
往復距離17.2km×出勤日数21日=361.2km(1ヶ月の走行距離)
361.2km(1ヶ月の走行距離)÷21.2km/L(燃費)=17L(1ヶ月のガソリン使用料)
17L(1ヶ月のガソリン使用料)×178.4円(ガソリン平均価格)=3,032円
・所要時間約22分 往復距離17.2㎞(県道82号と国道507号経由)
1ヶ月のガソリン代はおよそ3,032円
(※ガソリン代は2026年7月6日現在の沖縄県平均で計算)
やっぱりマイカーの方が有利?
バスの金額がどのルートも同じなのは、那覇バス・琉球バス交通に「那覇市内均一区間フリー定期券」があるためです。那覇市内線は一律280円の均一運賃で、この定期券なら市内の対象路線を距離に関係なく乗り放題になります。通勤用は1か月9,800円、通学用は6,500円です(2026年4月改定)。
つまり、那覇市内をバスだけで移動するなら、どこへ通っても月9,800円で済むわけです。距離が延びるほど運賃が上がるモノレールとは、料金の考え方が根本的に違います。
一方、マイカー通勤の場合、ガソリン代だけを見れば車が圧倒的に安く済みます。
通勤(1ヶ月)の交通費
| 首里駅⇄おもろまち駅 | 首里駅⇄県庁前駅 | 首里駅⇄小禄駅 | |
| モノレール(1ヶ月定期) | 10,140円 | 11,310円 | 12,480円 |
| バス(1ヶ月定期) | 9,800円 | 9,800円 | 9,800円 |
| マイカー通勤 (軽自動車・ガソリン代) | 1,308円 | 1,945円 | 3,032円 |
知人ほら!やっぱり車の方が安いでしょ!
……と言いたくなる気持ちはわかります。でも、話はここで終わりません。
見落としがちな「ガソリン代以外」の維持費

車にかかるお金は、ガソリン代だけではありません。軽自動車を那覇市内で維持した場合、年間でおおよそこれだけかかります。
- 軽自動車税(種別割):10,800円
- 自賠責保険(24か月分を年換算):約8,770円
- 任意保険:約60,000円(年齢・等級により変動)
- 車検費用(2年ごと10万円を年換算):約50,000円
- 駐車場代:約120,000円(那覇市内で月1万円と想定)
- オイル交換・タイヤなどのメンテナンス:約30,000円
合計すると年間約27万9,000円、月あたり約2万3,300円。ここにガソリン代が乗ります。
月額でどれだけ違うのか
| ルート | 車(維持費+ガソリン代) | ゆいレール定期 | バス定期 | 車との差額 |
|---|---|---|---|---|
| 首里駅⇄おもろまち駅 | 約24,600円 | 10,140円 | 9,800円 | ・ゆいレール:14,460円 ・バス:14,800円 |
| 首里駅⇄県庁前駅 | 約25,200円 | 11,310円 | 9,800円 | ・ゆいレール:13,890円 ・バス:15,400円 |
| 首里駅⇄小禄駅 | 約26,300円 | 12,480円 | 9,800円 | ・ゆいレール:13,820円 ・バス:16,500円 |
どのルートでも、車のほうが月1万5,000円前後は高くつく計算になりました。年間にすると18万円前後の差です。しかもこれは、車両本体のローンを含んでいない金額です。
なお、バスは定時性でモノレールに劣ります。那覇市内は慢性的に渋滞するため、時間の正確さを取るならゆいレール、費用を抑えるならバス、という選び方になります。
筆者ガソリン代以外の費用を考えたら結局、車の方がコストかかるよね
知人まあ、確かにそうだけど・・・
でもやっぱり車は手放せない(笑)
なお、駐車場代は住む場所によって大きく変わります。物件に駐車場が付いていれば負担は減りますが、その分だけ家賃が上乗せされているケースがほとんどです。
車を持たない沖縄生活の3つのメリット

ここまで沖縄での通勤スタイルの費用の比較を見てきました。
車種にもよりますが、意外にもガソリン代が安くすむのには自分も意外でした。
しかし、それでもあえて自分はマイカーを所有しない生活を推奨したいと思います。
ここでは筆者が感じた、車なし生活のメリットを3つ紹介します。
メリット①歩く習慣がついて健康的になる
県外から移住して太る人は、かなり多いです。
理由ははっきりしていて、移動のほとんどを車に頼るようになるからです。移住前は電車と徒歩で生活していた人が、沖縄に来た途端まったく歩かなくなる。半年後に体型が変わった、という話をよく聞きます。
マイカーを持たなければ、駅やバス停まで歩く必要が生まれます。意識しなくても運動量が確保されるわけです。
筆者僕自身、沖縄に移住して15kg痩せました。車を所有していたら有り得ないですね(笑)
メリット②家計に余裕が生まれる

沖縄県の1人当たり県民所得は、全国で最も低い水準が続いています。そのうえ、多くの商品を本州から輸送しているため物価は決して安くありません。収入は低く、支出は高いという構造です。
その環境で年間30万円近い維持費を負担するのは、家計にとって小さくありません。車を持たないだけで、この分がまるごと手元に残ります。
移住直後は収入が安定しないことも多いので、まずは車なしで始めて、必要性を感じたら買うという順番のほうが安全です。
メリット③那覇市内の観光スポットは公共交通機関で回れる

「車がないと沖縄を楽しめない」という不安もあると思いますが、那覇市内に限れば心配は要りません。
- 首里城公園:ゆいレール首里駅・儀保駅から徒歩圏内
- 識名園:バス利用でアクセス可能
- 国際通り:県庁前駅・牧志駅から徒歩すぐ
- 波の上ビーチ:旭橋駅からバスまたは徒歩
なかでも注目したいのが首里城です。2019年の火災で焼失した正殿の復元工事が完了し、2026年11月22日に完成式、翌23日から一般公開が始まる予定になっています。約7年ぶりに正殿の姿が戻ってくるわけです。
見学には事前予約制(時間指定)が導入される見込みなので、訪れる際は公式サイトで確認してください。
うどまる首里城がいよいよ今年の秋に戻ってきます。モノレールで行けるのがありがたい
【沖縄】車無し生活でのデメリット

いいことばかり書いても参考になりませんので、実際に不便を感じる場面もお伝えします。
デメリット①とにかく夏が暑い
これが最大にして最重要のデメリットです。
沖縄の日差しは想像以上に強く、真夏に10分歩けば汗だくになります。日焼け止めは必需品ですし、汗をかきたくない場面では素直に公共交通機関を使ったほうが賢明です。
汗をかくのがどうしても苦手な方には、正直なところ車なし生活はおすすめしません。
筆者夏はバス停で待っているのがしんどい時もあります
デメリット②気軽にお出かけできない
沖縄に移住する目的の一つに「海に気軽に行けるから」という方もいるかもしれません。しかし、車がないと「思い立ってすぐ海へ」というわけにはいきません。
ただ、那覇市内で暮らしていると、意外と海には行かなくなります。県民が海に行く主な目的は遊泳よりバーベキューで、そう頻繁にあるものでもないからです。
デメリット③まとめ買いや大型の買い物はひと工夫が必要
米や飲料をまとめ買いする場合、徒歩とモノレールでは限界があります。ここはネットスーパーや通販の配送でカバーするのが現実的です。家具や家電も配送を使えば問題ありません。
車が必要になったときの代替手段

「たまには車を使いたい」というときは、カーシェアリングやレンタカーを利用するとコストが抑えられます。
カーシェアリング
那覇市内を中心にステーションが増えています。タイムズカーの場合、15分220円から利用でき、ガソリン代と保険料は料金に含まれています。給油して返す必要もありません。ちょっとした買い物や送迎なら、これで十分です。
レンタカー
丸一日使う遠出向きです。仮に6時間パックを月2回使うと1万〜2万円程度かかりますが、マイカーの維持費より安く収まります。
タクシー
沖縄は本土の都市部に比べて初乗り運賃が650円(2026年8月24日から)と安めです。雨の日や荷物が多い日の「たまの贅沢」として使えば、生活の満足度は大きく変わります。
うどまるこれらを組み合わせれば、月に数回の利用ならマイカーを持つより確実に安上がりです
よくある質問
- 沖縄に移住するなら、車は最初から買うべきですか?
-
那覇市内に住む予定なら、まずは車なしで始めることをおすすめします。実際に生活してみて必要性を感じてから購入しても遅くありません。中部・北部に住むなら、最初から用意しておいたほうが安心です。
- 沖縄のガソリン価格は本土より高いですか?
-
2026年7月時点の沖縄県平均は178.4円/Lで、全国平均と大きくは変わりません。なお、ガソリンの旧暫定税率は2025年12月31日に廃止されましたが、その後の原油価格上昇で値下げ効果は相殺されている状況です。
- 那覇市内で駐車場代はどのくらいかかりますか?
-
エリアによりますが、月1万円前後が目安です。国際通り周辺など中心部ではさらに高くなります。
- ゆいレールとバス、どちらが便利ですか?
-
定時性を重視するならゆいレールです。那覇市内は慢性的に渋滞するため、バスは時間が読みにくい場面があります。一方、バスは路線が細かく、モノレールが通っていないエリアもカバーできます。両方使い分けるのが現実的です。
まとめ|沖縄で車が必要かは「那覇に住むかどうか」で決まる

最後に要点を整理します。
- 那覇市に住み、那覇市内で働くなら車は必須ではない
- 那覇市以外・離島に住むなら、車はほぼ必須
- 維持費まで含めると、車は公共交通機関より月1万5,000円前後は高い
- バスは「那覇市内均一区間フリー定期券」なら月9,800円で乗り放題
- 移住直後は車なしで始め、必要性を感じてから購入するのが安全
- たまに使うだけならカーシェア・レンタカーで十分足りる
「沖縄では車が必要」という言葉は、半分正しくて半分は思い込みです。大事なのは、自分がどこに住み、どんな生活をするのかを具体的に描くこと。その上で判断すれば、車の購入費用を他のことに回せる可能性は十分にあります。
移住の予算を組む段階で、一度この計算をしてみてくださいね。
筆者沖縄への移住はお金がかかるので十分な計画が大事です



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