プラスチック容器は軽量で割れにくいという利点から多くの家庭で愛用されていますが、
「通常の食器用洗剤で洗っても、なぜかヌメリが残ってしまう…。」
こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、プラスチック容器の油汚れが落ちにくい科学的理由と、効果的な洗浄方法をご紹介します。

プラスチック容器のヌルヌル何とかしたいですよね
プラスチック容器に油汚れが残りやすい科学的な理由

プラスチック容器の油汚れが落ちにくい主な理由は、プラスチック自体が石油由来の素材だからです。
料理から出る油も石油も同じ「油」の仲間であるため、お互いに非常に親和性が高いのです。
つまり、油汚れがプラスチックの表面に単に付着するだけでなく、微細な隙間に浸透・吸収されてしまうため、通常の洗剤では完全に除去するのが難しくなります。
食器用洗剤は油汚れを水と馴染ませて取り除く性質がありますが、プラスチックと油の強い結びつきには十分に対抗できないのです。
例えるなら、非常に仲の良い二人の間に第三者が入り込もうとしても受け入れられないような関係性といえるでしょう。

油+油で、より汚れが取れにくいんですね
効果的な油汚れ落としの下準備

プラスチック容器の油汚れを効果的に落とすには、まず以下のような下準備が重要です。
表面の油をペーパーで拭き取る
洗剤で洗う前に、キッチンペーパーやティッシュで表面の油をできるだけ拭き取りましょう。
これにより、洗剤が直接プラスチックに浸透した油に作用しやすくなります。
スポンジを清潔に保つ
使用するスポンジ自体にも油汚れが残っていると、それを容器に塗り広げてしまうことになります。スポンジはこまめに洗浄するか、油汚れがひどい場合は新しいものに交換しましょう。
お湯を使って洗う
冷水ではなくお湯を使うことで油の粘度が下がり、汚れが落ちやすくなります。40℃前後のお湯が最も効果的です。
逆に冷水だと油が固まり、さらに落ちにくくなってしまいます。

まずはキッチンペーパーで油をふき取ることが大事です!
プラスチックの油汚れに効果的な洗剤選び

油汚れは「酸性」の性質を持っているため、それを中和して落とすには「アルカリ性」の洗剤が効果的です。
その中でも重曹(炭酸水素ナトリウム)は、プラスチック容器の油汚れ落としに最適な選択肢です。
重曹は弱アルカリ性の性質を持ち、洗浄力だけで見れば油汚れへの効果は限定的かもしれません。
しかし、重曹の真価はその微細な粒子による穏やかな研磨作用にあります。この特徴が、プラスチック容器を傷つけることなく油汚れを物理的に除去することを可能にしているのです。
一般的な研磨剤であるクレンザーやメラミンスポンジと比較すると、重曹の粒子は非常に細かく柔らかいため、プラスチック表面を傷つけるリスクが格段に低いという利点があります。
これは重要なポイントで、プラスチックに傷がつくと、その微細な溝に油が浸透し定着してしまい、結果的に汚れがさらに落ちにくくなってしまうからです。
この点から、重曹はプラスチック容器の油汚れ対策に特に適した選択肢だといえるでしょう。
重曹が効果的な理由
- 弱アルカリ性で油汚れを浮かせる効果がある
- 細かい粒子による穏やかな研磨作用がある
- プラスチック容器に傷をつけにくい
- 安全性が高く食品に触れる容器にも安心して使える
重曹の使い方
1.プラスチック容器に粉末の重曹を振りかける
2.少量の水を加えてペースト状にする
3.5分ほど放置して油汚れを浮かせる
4.スポンジで優しく洗い、よくすすぐ

重曹はお掃除にも使えて万能ですよね!
重曹以外のおススメ洗剤

重曹で落ちない頑固な油汚れには、セスキ炭酸ソーダがおすすめです。セスキ炭酸ソーダは重曹よりもアルカリ性が強く、水にも溶けやすいため、より効果的に油汚れを分解します。
特に長期間使用して油汚れが染み込んでしまったプラスチック容器や、トマトソースなどの色素と油が混ざった複合的な汚れにも高い洗浄効果を発揮します。
セスキ炭酸ソーダの使い方
1.500mlの水に小さじ1杯程度のセスキ炭酸ソーダを溶かす
2.この溶液に汚れたプラスチック容器を30分ほど浸ける
3.その後、通常通り洗剤で洗う

重曹もセスキ炭酸ソーダも気軽に手に入れやすいですよね
油汚れを防ぐための予防策

プラスチック容器の油汚れに悩まされるのであれば、事前に予防策を考えることも重要です。
それには、料理によって容器を使い分けることをおすすめします。
容器の使い方を考える
トマトソースやカレーなど、強い油分や色素を含む料理には、できるだけガラス製や陶器製の容器を使うことをおすすめします。
どうしてもプラスチック容器を使用する場合は、使用後すぐに洗うか、事前に内側にオリーブオイルを薄く塗っておくと、汚れが付着しにくくなります。
シリコン製容器も検討する
最近ではシリコン製の保存容器も増えています。シリコンは油の吸収性が低く、プラスチックよりも油汚れが付きにくいという利点があります。
長期的な使用を考えると、一部をシリコン製に変えてみるのも良いでしょう。

容器を変えると、洗い物のストレスが格段に軽減されますよ
頑固な油汚れに対する応急処置

長期間使用したプラスチック容器や、カレーやトマトソースなどの油と色素が複合した汚れは特に厄介です。とはいえ、何とか油汚れは落としたいですよね。
そこでこの章では、頑固な油汚れに効果を発揮する特別な応急処置法をご紹介します。
これらの方法を試せば、もう「この容器は捨てるしかない」と思うことはなくなるかもしれません。
重曹ペーストパック
プラスチック容器に染み込んだしつこい油汚れには、洗浄よりも「重曹ペーストパック」の発想が効果的です。
重曹ペーストパックは、短時間の洗浄では落としきれない油汚れを、時間をかけてじっくりと浮き上がらせる方法で、通常の洗浄で「もう無理かも」と感じた油汚れも、このパック法なら見違えるほど綺麗になることが多いです。
特に保存容器の隅や溝に染み込んだ油汚れに対して驚くほどの効果を発揮します。
重曹ペーストパックの使い方
1.重曹と水を3:1の割合で混ぜてペースト状にする
2.汚れた部分に厚めに塗る
3.ラップをかけて一晩置く
4.翌日、ぬるま湯でよく洗い流す

食器洗いも二刀流が効果的!
クエン酸と重曹の併用
プラスチック容器の汚れは油だけではありません。水垢や石鹸カスなどのミネラル汚れと油汚れが複合的に存在することも多いのです。
そんな複合汚れには単一の洗剤だけでは効果が限定的ですが、酸性のクエン酸とアルカリ性の重曹を順番に使い分けることで、それぞれの特性を最大限に活かした洗浄が可能になります。
この「酸とアルカリの二段階洗浄法」は、長年使い込んだプラスチック容器の再生に特に効果的な方法です。
クエン酸と重曹の併用する場合
1.まずクエン酸水溶液(500mlの水に小さじ1)で水垢を落とす
2.次に重曹で油汚れを落とす
プラスチック容器の油汚れと上手に付き合おう

プラスチック容器は軽量で割れにくいという大きなメリットがある反面、油汚れが落ちにくいという欠点もあります。しかし、この記事でご紹介した方法を実践することで、その悩みを大幅に軽減できるでしょう。
特に重曹とセスキ炭酸ソーダは気軽に手に入る経済的な洗浄剤であり、プラスチック容器の油汚れ対策に非常に効果的です。日常的に重曹洗いを習慣にすれば、プラスチック容器のヌメリともサヨナラできます。
油汚れが気になる方は、ぜひこれらの方法を試してみてください。プラスチック容器本来の清潔さと使いやすさを取り戻すことができるはずです。

ぜひ、お試しください
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