先日、台湾と沖縄の合作映画「ボーダレスアイランド」を観てきました。
「とある台湾人の女性がふとしたきっかけから、別れた父親に逢うために父親の出身地である沖縄を訪ねるという物語。そこで彼女を待ち受けていたものは・・・」
といったような内容ですが、この映画を観て思ったのは、「台湾と沖縄って似てね?」ということ。
台湾と沖縄。距離だって近いし、年中暖かい気候も似ています。そして台湾と友好関係にある沖縄の自治体もあって、仲の良い関係ではないかと個人的には思っています。
ということで今回は、映画「ボーダレスアイランド」の感想や台湾と沖縄の似てるところなどを書いてみたいと思います。
とても感銘を受けた映画でした
「ボーダレスアイランド」はどんな映画?
引用元:桜坂劇場公式サイト
「ボーダレスアイランド」の簡単なあらすじ
主人公は台湾の台北市で母親と2人暮らしの「ロロ」という女性。
父親は沖縄の人で、ロロが生後間もない頃に2人を捨てて沖縄に帰っていったと母親からは聞かされていました。
ある日彼女は自宅にあった本に挟みこんであった一枚の風景写真を見つけます。
その写真の裏には日本人の名前が書かれていて、それが実の父親だと知ったロロは、友人男性のアーロンと一緒に沖縄へ向かいます。
彼女たちが訪ねた日、沖縄の「みらく島」は旧盆の初日にあたる「ウンケー(ご先祖様を自宅に迎える日)」。みらく島では旧盆期間中、島出身以外の人は入れないというルールがあったが、ロロは父親がこの島の出身だと言い、強引に島行きの船に乗り込み、みらく島に上陸します。
そして、父親が住むという家を訪ねますが、そこで聞いた衝撃の事実は・・・
主人公の台湾人の女の子は、はたして無事に父親に会うことが出来るのでしょうか
印象に残ったシーン
この映画ではウンケーの日に、ご先祖様が次々と各家庭に帰ってくるシーンがありますが、ひとことでご先祖様といってもその姿はさまざま。
主人公ロロとアーロンが滞在した民宿には、亡くなった女将さんの旦那さん、他には海で亡くなった小学生の子どもや親に虐待をうけて自殺した女の子、若くして亡くなった旦那を迎えるおばぁなど、いろんな事情でこの世を去ったご先祖様が登場するシーンは観ていて感慨深いものがありました。
また、中には悪いご先祖様もいて、この世に帰ってきてほしくないご先祖様たちがたくさん登場し、ロロたちを襲ってくるシーンはまるで、ゾンビ映画を想像させるものでした(笑)。
一方、主人公ロロたちは、自宅で見つけた写真と同じ風景の場所へたどり着きますが、はたして別れた父親と再開することができたのか・・・
後半は一部、ゾンビ映画を思わせる怖さがありましたが(笑)、
なかには悪いご先祖様もいるということを知りました
「ボーダレスアイランド」を観てほしい人
この映画を観ると沖縄の旧盆がどんな感じで行われるのかが分かりやすく描かれているので、沖縄に興味がある県外の人や、台湾の人にも観て欲しいですね。
同時に台湾でも同じ旧盆をするということで、沖縄との違いは何なのかを知りたい沖縄県民や、沖縄と台湾の風習の違いに興味がある人にも観てほしい映画です。
沖縄県民にも、県外の方にもおすすめの映画です
「ボーダレスアイランド」の上映館
映画「ボーダレスアイランド」は下記の映画館で上映していますので、興味のある方は鑑賞してみてくださいね(2022年12月現在)。
近くに上映する映画館がない場合は、DVDやBlu-ray、AmazonPrimeビデオやネットフリックスでの提供を待ちましょう。
引用元:ボーダレスアイランド公式サイト
※上映時間など詳細は各映画館へお問い合わせください。
【台湾・沖縄】似てるところ4選
写真 左:沖縄 首里城 右:台湾 中正紀念堂
コロナ禍で停止していた台湾と沖縄とを結ぶ国際線が2022年10月より、2年7か月ぶりに再開されました。那覇空港と台北桃園空港は約90分ほどの飛行時間なので、気軽に行き来できるのが良いですよね。
これにより、少しずつではありますが、沖縄でも台湾からの観光客が訪れ、以前の活気を取り戻せたら県民としては嬉しい限りです。
そんな台湾と沖縄は、調べてみるといろんな面で似ているところがありました。
ここでは台湾と沖縄の似ているところを4つ紹介します。
建造物もそっくり!
①気候
写真:台湾の風景
台湾と沖縄の距離はわずか700㎞あまりでめっちゃ近い!緯度もほぼ一緒ということで、気候も非常によく似ているようです。
台湾の北部に位置する首都台北市は台湾のなかでは比較的冬は気温が下がるそうですが、それでも平均15℃ぐらいだそうで、冬の沖縄とそんなに変わらない気がします。
一方、台湾南部に位置する高雄市は台北市と比べると平均気温が3〜4℃と高くて、冬も25℃ぐらいまで気温が上がることもあるようです。
そしてどちらも亜熱帯地域ということもあり、台風の発生が多いのも共通の特徴。パターンとしては沖縄を通り過ぎてから台湾に向かうというイメージがありますね。
台風といえば、台湾と沖縄ってイメージがあります
②食文化
写真:ゴーヤーチャンプルー
気候が似ている台湾と沖縄は食文化でも似ているところがあります。
テレビなどで、台湾の市場や個人商店で野菜やフルーツ、お肉などを売っている光景が見られますが、沖縄でも昔ほどではないですが、市場の店先に品物を並べて売っているところはあるので、その辺は似ていますね。
そして沖縄でおなじみの料理「ゴーヤーチャンプルー」と同じように、ゴーヤーに卵と豚肉を加えて炒めた「シェンダンクーグワー」という料理があります。
台湾には白いゴーヤーもあり、緑色のゴーヤー以外に白いゴーヤーを使うこともあるそうです。
でも、ポークは使わないみたいですね(笑)。
③生活環境
写真:台湾サンチョンの住宅棟
沖縄の住宅の特徴としては「コンクリート造」があげられるでしょう。
理由は台風に耐える強い構造にするためで、自然とコンクリートで建設する習慣ができたといわれています。
一方の台湾も、コンクリート造の建物が多いようです。断水対策のための貯水槽が住宅の屋上に設置してある所が多いみたいで、そこも沖縄と似ていますね。
同じ台風が多い地域なので、自然と生活環境も似てくるのでしょうね。
また、お風呂はシャワーで済ませることが多い沖縄県民ですが、台湾人もそうらしいです。
沖縄県民の「お風呂に入る」は、1日の疲れを取るという感じよりも、その日の体の汚れを洗い流すという意識が多いので、湯舟に浸かる人は少ないです。台湾の人達もそういう考えなのでしょうか。
お互いに台風には悩まされていますから・・・
④正月とお盆を旧暦で行う
写真:沖縄の清明祭で出されるオードブル
沖縄は日本のなかでも、1年を通して行事が多い地域だと言えます。それは旧暦でおこなう行事があるからです。
特に旧正月や旧盆などは他の都道府県ではやらない、沖縄ならではの風習ではないでしょうか。
一方、台湾でも同じように旧正月や旧盆をおこないます。旧正月は「春節」と言われ、新暦のお正月よりも盛大にお祝いするようです。
これは中国でも同じで、春節の時期に大型連休を取って日本へ中国人観光客がどっと押し寄せる光景をテレビで見た人もいるのではないでしょうか。
また、台湾の旧盆にあたる行事としては「清明節」があります。清明節は春におこなわれる行事で、春の到来を祝い、ご先祖様のお墓参りをします。
じつは沖縄にも「清明祭(シーミ―)」という行事があり、開催時期も台湾と同じ4月〜5月の初めにかけておこないます。
内容は台湾の清明節と同じようにご先祖様のお墓参りに行きます。そこでは家族や親類が集まり、オードブルなどの料理を食べながら楽しく過ごすのが風習です。
これは県外の人が見るとなんとも異様な光景かもしれませんが、ご先祖様の前でわいわいがやがや過ごすことで、「現世の皆は元気でやってるよ!」とアピールする意味もあるのです。
お墓でどんちゃん騒ぎすることもあるから、県外の人には考えられないでしょうね(笑)
【台湾・沖縄】空路も復活!これからも友好関係は続く
写真:チャイナエアライン
コロナ禍で運行がストップしていた台湾と沖縄の直行便ですが、2022年9月29日より日本人の観光ビザの免除措置が再開され、10月13日からは台湾への入国後の隔離も不要になっています。
これまで行きたくても行けなかった台湾への旅行も徐々に気軽に行けるようになって、お互いの観光客も増えてくれることを願うばかりです。
筆者は社員旅行で行って以来、30年ほど台湾には行っていないので、機会があればぜひ台湾の建造物も観たり、グルメを楽しみたいと思っています。
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