世の中に存在する全ての物にはちゃんとした正式名称があります。
だけど我々は、普段の生活の中で使っている物や接している物の正しい名称を意外と知ってるようで知らないものです。
とかく日本人は名称を略して使う習慣があるので、正式名称を知っておくのは良いことですよね。
そこで今回は、あなたの身近にある物の意外な正式名称をいくつかご紹介します。
普段使っている物の言い方が略語だったりすることありますよね
あのサービス名称の意外な秘話
宅急便
多くの人がお世話になっている宅急便。実はこれらの配達関係の名称は「宅配便」が正式名称です。
「え?じゃあ宅急便は?」と思ったあなた。
この宅急便という言い方、実はクロネコヤマトでお馴染みのヤマトホールディングスが登録商標している宅配便サービスの名称なんです。
ですから宅急便という言い方は、クロネコヤマトしか使っちゃいけない言葉なんですね。
他の配送会社は全て「宅配便」で統一しているので、佐川さんに「宅急便いつ届きます?」などと言っては失礼になるので言ってはいけませんよ(笑)。
宅急便にまつわる意外な秘話
この「宅急便」という言葉が登録商標されたのは1976年でしたが、それから13年後の1989年にスタジオジブリが「魔女の宅急便」を映画化します。
監督の宮崎駿さんは宅急便という言葉は一般的に使われている言葉だと思っていたので当然ヤマト運輸に何の許可もとらずにいました。
映画がもうすぐ完成というところでヤマト運輸側から「ウチの登録商標だから」と待ったがかかったのですが、今さらタイトルを変えたくないと思った宮崎駿さんは「この映画のスポンサーになりませんか」と話しを持ちかけます。
それで話合いが成立して何とか「魔女の宅急便」のタイトルで無事に公開されたのです。
ちなみに映画の中に主人公キキと一緒に黒猫のジジが出てきますが、このジジが映画に登場していることもヤマト運輸が「宅急便」の使用を許可したきっかけになったとも言われています。ヤマト運輸のキャラクターはクロネコですからね。
逆にヤマト運輸が宅急便の使用を許可してくれたので宮崎駿監督がクロネコのジジを誕生させたとも言われていて、どっちが事実なのかはハッキリしていません。
今まで普通にどの配送会社にも宅急便って使ってました(笑)
QRコード
宅配便やネット通販などで多く使われるサービスでQRコードがありますが、このQRコードという名称は自動車部品メーカーのデンソーウェーブの登録商標で、QRは「クイックレスポンス」の略で、高速読み取りを目的としている名称です。
一般名称は「マトリックス型二次元コード」と言うそうです。呼び名がカッコいいですね♪
ユンボ
家の解体や道路工事現場などによく見かけるユンボ。このユンボはフランスのSICAM(シカム)社の製造した商品名です。
一般的にはバックホウとか油圧ショベルなどと言われますが、日本ではレンタルのニッケンがユンボの登録商標を持っています。
1990年代に入ってからは社団法人日本建設機械工業会によって「油圧ショベル」を統一名称と定めました。
キャタピラって言うこともありますよね
これは略語です
世の中には普通に使っている言葉は実は略語だったというのが結構あります。
ここではそういう略語をご紹介します。
パソコン
パソコンの正式名称は「パーソナルコンピューター」。
パーソナルとは「個人」とか「小型・手軽」などの意味にも使われます。言い換えれば「個人で手軽に使うコンピューター」と言えます。
当初は大型で企業だけが使っていたので「コンピューター」という言い方だけをしていましたが、その後一般人が家庭で気軽に使えるような小型の物が出てくるようになったので「パーソナル」という言葉を付け加え「パーソナルコンピューター=パソコン」と言うようになりました。
インフレ・デフレ
景気の良し悪しを示す時に使うインフレやデフレ。インフレは「インフレーション」、デフレは「デフレーション」です。
最近は略して使うことが多いので、正式に言うとちょっと違和感もあるかもしれませんね。
インフレーションは物価の価格が上がり続けることで、お金の価値が下がるというデメリットがあります。
例えばそれまで1万円で買えていた物が倍の2万円になったら、円の価値はニ分の一になるということ。
その一方で海外から製品を輸入する会社などは景気が良くなったり外国人観光客が増えたりというメリットもあります。
デフレーションはその逆で、今の日本は長期間のデフレで景気が良くないですよね。
ディスコ
語源はフランス語の「ディスコテーク」から来ていて、テンポの良い音楽やバラードなどを流しながら飲食物を提供する場所のことです。最近はクラブというのが主流ですよね。
ディスコ世代にはユーロビートはたまらない!
切手
切手の正式名称は「郵便切手」でしょ?と言う人が多いと思いますが、元々の言い方は「切符手形(きりふてがた)」です。
昔はこの切符手形を支払いや身分の証明として紙に描かれていたのだそう。それが進化したのが今の「小切手」だと言われています。
割り勘
会社の人や友人と呑みに行ったときに必ずと言ってするのが割り勘。
この割り勘も立派な略語で、正式名称は「割り前勘定」といいます。
割り前勘定は江戸時代に作家の山東京伝が最初にやったと言われていて、その時は「京伝勘定」とも呼ばれていたとか。
余談ですが、割り勘する時に「ちょっとトイレ行ってくる」とか言って、いつの間にか居なくなってる人や割り勘を一円単位でキッチリ分ける人とか、あなたの周りにいませんか?(笑)
勘定の時タイミングよくドロンする人も居ますよね(笑)
ガラケー・スマホ
ガラケー
これは普段当たり前のように使っていて意外と何の略称か知らない人も居るのでは?
ガラケーは「ガラパゴス携帯」の略で、周囲の地域から海で隔離されて独特の生態系を維持してきたガラパゴス諸島がその由来で日本独自の呼び方です。
ガラケーに装備されているおサイフケータイ機能、赤外線通信、ワンセグなどは日本の携帯電話だけに搭載されたもので、その世界標準じゃないことがどことなくガラパゴス諸島に例えられたと言われています。
今でもガラケーの方が馴染みがあって使いやすいという人は多く、出来ればずっと使えるようにして欲しいという声があがっていますね。
ガラケーのダイヤルボタンの押す感覚が好きでした
スマホ
これはいくら何でも知ってるよ!という人が多いでしょう。そう、「スマートフォン」の略称ですよね。
ですが、この「スマート」の意味を意外と知らない人が居るのも事実。最初、縦に長いからスマートって言うんじゃないの?って思った人は自分だけじゃないでしょう。
ここでいう「スマート」とは「賢い」という意味。なので直訳すると「賢い電話」となります。
他にも「スマート」には「洗練された」「スタイリッシュ」「コンピュータ化」「高機能」などの意味にも使われ、これらを総合して「スマートフォン」と呼んでいます。
ちなみに日本人が使いがちな体系の細い人などに使う「スマート」は英語では通じません。どうしてそう言うようになったのかも不明です。
スマートフォンを略しているので、正式には「スマフォ」だと思うのですが。。。笑
Wi-Fi
今ではインターネットを利用するのに欠かせないWi-Fi。何の略?って聞かれて答えられる人は少ないかもしれません。
Wi-Fiとは「Wireless Fidelity(ワイヤレスフィデリティ)」の略称で、「Wireless(ワイヤレス)」が無線、「Fidelity(フィデリティ)」が忠実という意味です。
これは無線LANアダプターのブランド名であり、Wi-Fi=無線LANと勘違いしている人も多いと思いますが、無線LANの中でも業界が基準を満たしたものをWi-Fiと呼んでいます。
WiFiを「ウィーフィー」と読んだ人は自分だけじゃないはず(笑)
リストラ
ここ何年かで経験がある人も増えているリストラ。
これは「リストラクチュアリング」を略した言葉で、リストラクチュアリングとは会社の事業を再構築するといった意味があり、そのため人員削減をすることが増えた為、社員をクビにすることの意味に使われるようになりました。
このように「リストラ=会社クビ」という使い方は日本だけみたいですね。
日本は言葉のガラパゴス化多いですよね
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は色んな正式名称について解説してきました。
普段何気なく使っている名称には結構深い意味があったりして面白いです。
これを機会に、あなたが身近に使っている名称の意味を調べてみるののいいかもしれませんよ。
ここまでお読みいただきありがとうございました
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