近ごろのスマートフォンは「高性能=大きい」が当たり前になり、「高性能と小型」を両立する選択肢は少なくなりました。
そのため、高性能のスマートフォンは欲しいけど、大きくて重いのが嫌で購入を躊躇している方もいるのではないでしょうか。
そんな中、2025年4月に中国の家電メーカーXiaomi(シャオミ)から比較的コンパクトで高性能なXiaomi15が発売されました。
Xiaomi 15 は、 画面サイズ6.36 インチ、SoCにSnapdragon 8 Elite 、ドイツのカメラメーカー Leica(ライカ) 監修 50 MPトリプルカメラを搭載しつつ、10万円台前半の価格でコスパのいいスマホに仕上がっています。
今回は筆者が実機を購入しましたので、サイズ感・性能・カメラ・電池持ち・ソフトウェアの視点からレビューします。
Xiaomi(シャオミ)はどんな会社?
2010年に中国・北京で設立された総合家電メーカー。
スマートフォンのほか、IoT機器や生活家電を中心にお手頃な価格で提供しており、成長著しい企業です。
最近では電気自動車(EV)にも参入するなど、100以上の国と地域で多角的な事業を展開しています。
スマートフォンの世界シェアは第3位(2024年8月現在)。
この記事の筆者:「うどまる」
ガジェット大好きオジさん。
建設業とトラックドライバーを経て、2021年よりブロガー兼Webライターとして活動中。
同梱品&スペック

同梱品
・Xiaomi15本体
・90w充電アダプター×USBケーブル
・SIMピン
・専用ケース
・取扱説明書
最近のスマートフォンは充電アダプターが同梱されないことが多いですが、Xiaomi15には90wで急速充電できるアダプターが付いています。
また、専用ケースが付いていることと、画面フィルムがあらかじめ貼り付けてあるので、届いたらすぐに使えるのも有難いです。

ケースの好みは人それぞれなので、購入するのもあり
スペック
発売日 | 2025年4月1日 |
価格(税込) | ・12 GB+256 GB:123,000円 ・12 GB+512 GB:138,000円 ・リキッドシルバー(12GB+512GB):138,000円 |
OS / UI | (4年のメジャーアップデート保証) | Android 15 + Xiaomi HyperOS 2
SoC | Qualcomm Snapdragon 8 Elite ・CPU:プライムコア×2 最大4.32 GHz パフォーマンススコア×6 最大3.53 GHz ・GPU:Adreno ・AI:Qualcomm AIエンジン |
メモリ / ストレージ | ・ストレージ:256 GB / 512 GB (microSD非対応) | ・メモリ:12 GB
ディスプレイ | 6.36インチディスプレイ (リフレッシュレート1–120 Hz) 解像度 2670 × 1200 px・460 ppi 最大輝度 3,200 nit/Dolby Vision・HDR10+対応 |
セキュリティ(画面ロック解除) | ・超音波式指紋認証 ・顔認証 |
本体サイズ(高さ×幅×厚み)・重量 | (ホワイト/ブラック/グリーン) 152.3㎜×71.2㎜×8.48㎜×192g (リキッドシルバー) | 152.3㎜ × 71.2㎜ × 8.08㎜×191g
防塵防水 | IP68(水深1.5 m/30 分) |
背面カメラ | ・50 MP(60 mm望遠・OIS) ・50 MP(14 mm超広角) ・Leica Summiluxレンズ、8K30fps撮影 | ・50 MP(メイン23㎜・F1.62・OIS)
前面カメラ | 32 MP(F2.0)/4K60fps撮影対応 |
バッテリー | 5,240 mAh |
充電 | ・Xiaomi 90 W ハイパーチャージ(PD 3.0 / QC 3+) ・ワイヤレス 50 W |
通信・SIM | ・デュアルSIM (nano+nano/nano+eSIM/eSIM+eSIM) ・Wi‑Fi 7 ・Bluetooth 6.0 ・NFC ・USB‑C 3.2 Gen2(DP Alt Mode) | ・5G SA/NSA
おサイフケータイ(FeliCa) | 非対応(NFCは対応) |
生体認証 | ・AI顔認証 | ・超音波画面内指紋センサー
オーディオ | ・ステレオスピーカー ・Dolby Atmos、Hi‑Res ・Hi‑Res Wireless認証(3.5 mm端子なし) |
カラーバリエーション | ・ホワイト ・ブラック ・リキッドシルバー | ・グリーン
【デザイン】 ほどよい大きさと上質感を両立

Xiaomi15のサイズは、画面サイズが6.36インチで、高さ152.3㎜×幅71.2㎜×厚み8.08㎜です(リキッドシルバーは厚み8.48㎜)。
最近のスマートフォンは大画面で片手では持ちにくい機種も多いですが、Xiaomi15は幅が71.2㎜とスマートサイズ。
筆者が所有しているiPhone15(画面サイズ6.1インチ、幅71.6㎜)や、GooglePixel8a(画面サイズ6.1インチ、幅72.7㎜)と比べても幅が狭いので個人的には持ちやすいと感じました。
また、本体の上部と下部の重量を同じにしてあるそうで、片手で持ってもカメラがある上部が重く感じないように工夫されています。

持ちやすさを考えた細かい配慮がうれしい!

重量はカタログ値で 191 g (リキッドシルバーは192g)です。
6.36インチの画面サイズを考慮すると、個人的には軽いと感じました。
存在感が際立つカメラと堅牢性を強化したボディ
Xiaomi15で印象的なのは、背面に配置されたLeica(ライカ)監修の大きなカメラ。
レンズ部分はアンチグレアのレンズコーティングが施されているので、一般的なスマートフォンのような露出したカメラよりキズ付ける心配は少ないような気がします。

画面には独自の Xiaomi Shield Glassを採用し、強度は前モデルXiaomi14の10倍だとか。
また、フレームには航空機グレードのアルミ合金を採用し、傷つきにくいボディになっています。
さらに IP68 の防水防塵に対応してるので、日常の水濡れや砂埃を気にせず使えます。








ベゼル(額縁)は1.38㎜に統一されており、画面占有率は94%です。
筆者はそれほどベゼルは気にしませんが、ゲームや動画を楽しみたい人は画面が広くなることで、より没入感が増して楽しめると思います。

ネットワーク
Xiaomi15のSIMカードは、トレーの裏表にnanoSIMがそれぞれ1枚ずつ使えます。その他にnanoSIM+eSIM、eSIM+eSIMの組み合わせも可能です。
また、最新のWi-Fi7やBluetooth6.0にも対応しており、より快適に使えます。

Xiaomi15は大手キャリアのほとんどで使えますが、4Gの1.5GHz帯や5Gのミリ波など、一部使えない周波数帯域があるので、詳しくは各キャリアのホームページでご確認ください。
NTTドコモ対応周波数帯
au対応周波数帯
ソフトバンク対応周波数帯
楽天モバイル対応周波数帯
2G:GSM:850/900/1,800/1,900MHz
3G:WCDMA:1/2/4/5/6/8/19
4G:LTE FDD: 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/32/66
4G:LTE TDD: 38/39/40/41/42/48
5G:n1/2/3/5/7/8/12/20/25/26/28/38/40/41/48/66/75/77/78
カラーバリエーション

カラーはホワイト・ブラック・グリーンの 他に、銀メッキのリキッドシルバーが用意されています。
ホワイト・ブラック・グリーンはマット仕上げの背面で指紋が付きにくく落ち着いた質感ですが、リキッドシルバーは光沢のある素材のため、ネットでは指紋が目立ちやすいという意見が多いです。
どちらにしても、指紋・汚れ・キズから守るため、ケースは装着したほうがいいでしょうね。
ちなみに、ホワイト・ブラック・グリーンにはグレーのケース、リキッドシルバーにはクリアケースが付属されています。
なお、付属している専用ケースはカメラ部分が露出して保護できません。なので、気になる方は別途ケースを購入することをおすすめします。


リキッドシルバーは裸で使いたい!という人は多いでしょうね
Snapdragon 8 Elite の処理性能

Xiaomi15の頭脳にあたるSoCには、超高性能のSnapdragon 8Eliteが搭載されています。
これにより、消費電力とバッテリーの持続時間のバランスを取りつつ、最高のパフォーマンスを発揮するスマートフォンに仕上がっています。
そこで、Snapdragon 8Eliteの性能を確認するため、ベンチマークテストとゲームをしてみました。

はじめてのSnapdragon搭載スマホです
ベンチマークスコアと体感速度
ベンチマークはAntutuとGeekbench6でテストしました。
比較として、筆者が所有しているiPhone15とGooglePixel8aの結果も載せています。
デバイス | Antutuベンチマーク | Geekbench6 |
---|---|---|
Xiaomi15 | 総得点:2466343 ・CPU:575079 ・GPU:1089235 | ・CPU シングルコア:2957 マルチコア:8818 ・GPU:18277 |
iPhone15 | 総得点:1323533 ・CPU:318760 ・GPU:437067 | ・CPU シングルコア:2658 マルチコア:6648 ・GPU:23816 |
GooglePixel8a | 総得点:1177968 ・CPU:348935 ・GPU:435222 | ・CPU シングルコア:1714 マルチコア:4417 ・GPU:6321 |
このように、Xiaomi15はiPhone15やGooglePixel8aと比較しても圧倒的な高性能だということが分かります。
YouTube・SNS・ネットサーフィンなどの普段使いなら、十分すぎるスマートフォンです。
発熱の確認
本体の発熱具合を確認するため、3DMark Stress Testを試してみました。
3DMark Stress Test は3D画像を20回連続再生して負荷をかけ、電源ユニットの挙動とスマートフォンの安定性を確認するアプリです。
デバイス | 3DMark Stress Test(Wild Life Stress Test) |
---|---|
Xiaomi15 | ・ベストスコア:20540 ・ロースコア:13566 |
iPhone15 | ・ベストスコア:9855 ・ロースコア:7315 |
GooglePixel8a | ・ベストスコア:8881 ・ロースコア:5080 |
こちらも、Xiaomi15が桁違いな数値を叩き出しています。
テスト後は3機種とも本体が発熱しましたが、手で触れないほどの発熱はありませんでした。
ちなみに、スコアが一番低いGooglePixel8aが一番熱くなりました。
高負荷ゲームも快適

『原神』を最高画質で約30分間プレイしました。キャラクターの動きは滑らかで、カクつくことはなかったです。
ただし、ベンチマークテストをした時より明らかに本体は熱くなったので、長時間のプレイは不安があります。

ほとんどのゲームはプレイできそうです
Leica 監修トリプル 50 MP カメラの実力
Xiaomi15のカメラにはLeica監修のカメラを搭載しています。
広角・超広角・60㎜望遠の三眼すべてが 50 MP センサーを採用し、Leicaモードではオーセンティックとバイブラントの 2 つの色調プリセットを切替えられます。
今回は標準モードのメイン・超広角・望遠で撮影してみました。

日中撮影

撮影していると楽しくなります!










マクロ撮影もきれいに写りました。
夜間撮影
メインカメラは暗所でも細部がつぶれず、ビルの明かりや空の階調も滑らかに表現されています。
一方、超広角は周辺解像感が甘めで、あまりきれいに写らない印象。撮影は風景全体を記録する用途に留めたほうが無難かもしれません。
望遠は 光量不足のシーンでもハッキリ写してくれました。



バッテリー持ちと充電速度

Xiaomi15は5240mAhの大容量バッテリーを採用しているため、1日余裕で使えます。
さらに、付属の90w充電アダプターを使えば、60分以内でフル充電が可能です。
また、1,600回の充電サイクル後もバッテリー容量を80%維持できるため長く使えます。
充電サイクルとは
電池の寿命や劣化状態を示す指標のこと。
0%→100%まで充電して再び0%まで使用すると1サイクルとなります。
5240 mAh バッテリーのスタミナ
Xiaomi15のバッテリーが100%から1%になるまでの時間は以下の通りです。
バッテリー残量 | 時間 | 主な用途 |
---|---|---|
100%→50% | 24時間 | ・ゲーム 約5時間 ・YouTube 約2時間 ・SNS 約6時間 |
100%→1% | 34時間39分 |
今回の実験では、34時間以上バッテリーが持続しました。ゲームやYouTube視聴を増やしても、1日は余裕で持ちます。
ベビーに使う方でも、5000mAh程度のモバイルバッテリーがあれば、外出先でも安心して使えそうです。

スタミナは問題なし!
驚きの充電速度

付属の90w充電アダプターを使ってバッテリーが100%になるまでの時間を測定しました。
充電開始時のバッテリー残量 | 100%になるまでの時間 (標準) | 100%になるまでの時間 (トップスピード) |
---|---|---|
50% | 35分 | 30分 |
0% | 55分 | 48分 |
充電は「標準」と「トップスピード」の2つのモードがあり、50%→100%までの時間に大差はありませんでしたが、0%→100%ではトップスピードの充電だとわずか48分でフル充電できました。
標準モードでもフル充電まで55分なので、他のスマートフォンと比べても爆速です。
ただし、この急速充電は、付属の90w充電アダプターとUSB Type-Aケーブルを使用する必要があります。

また、最大50wのワイヤレス充電にも対応しています(充電器は別途用意)。

忙しい朝でも急速充電ができて安心!
Xiaomi HyperOS 2 と AI 機能

Xiaomi HyperOS 2は、Android 15をベースにしたXiaomiの最新OS(オペレーティングシステム)です。
Xiaomi HyperOS 2に搭載された「HyperCore」により、アプリの起動速度が最大54.9%向上。アプリの動作がサクサクになったほか、バッテリー効率も改善されています。
また、Android 15 ベースの HyperOS 2 は 、最大4 回のメジャーOS アップデートと 最大6 年間のセキュリティパッチ が約束されているので、長く使えそうです。
進化したXiaomi Hyper AI
Xiaomi HyperAIは、HyperOS 2に統合されたAI機能で、AIによる文書作成やリアルタイム翻訳、音声認識、画像編集などが簡単に行えます。

たとえば、AI ライティングはプロンプト(指示文)を入力するだけで瞬時に文章作成をしてくれます。
また、AI 通訳は会話や通話のリアルタイム翻訳ができるので、海外でも言語を越えたコミュニケーションが可能です。
さらに、AIアートやAI消しゴムProなどの画像編集ツールにより、写真の加工や画像の削除が簡単に行えます。



他の機種との比較
筆者はXiaomi15のほかにiPhone15とGooglePixel8aを所有しています。いずれもXiaomi15よりスペックは劣りますが、普段使いなら問題なく使えるスマートフォンです。
Xiaomi15のような高スペックを求めない方は、こちらを検討してもいいと思います。
項目 | iPhone 15 | Google Pixel 8a | Xiaomi 15 |
---|---|---|---|
機種 | ![]() | ![]() | ![]() |
発売日 | 2023年9月22日 | 2024年5月14日 | 2025年4月1日 |
価格(日本) | ・112,800円(128GB) ・127,800円(256GB) ・157,800円(512GB) | ・72,800円(128GB) | ・123,000円(256GB) ・138,000円(512GB) |
ディスプレイ | 6.1インチ Super Retina XDR OLED(60Hz) | 6.1インチ OLED (最大120Hz) | 6.36インチ OLED (1.5K解像度、120Hz) |
サイズ | ・高さ:147.6㎜ ・幅:71.6㎜ ・厚さ:7.8㎜ ・重量:171g | ・高さ:152.1㎜ ・幅:72.7㎜ ・厚さ:8.9㎜ ・重量:189g | ・高さ:152.3㎜ ・幅:71.2㎜ ・厚さ:8.08㎜(リキッドシルバー:8.48㎜ ・重量:191g (リキッドシルバー:192g) |
解像度 | 2556 x 1179(460ppi) | 2400 x 1080(430ppi) | 2670 x 1200(460ppi) |
プロセッサ | Apple A16 Bionic | Google Tensor G3 | Snapdragon 8 Elite |
RAM | 6GB | 8GB | 12GB |
ストレージ | 128GB / 256GB / 512GB(拡張不可) | 128GB (拡張不可) | 256GB / 512GB (拡張不可) |
メインカメラ | 48MP(広角)+12MP(超広角) | 64MP(広角)+13MP(超広角) | 50MP(広角)+50MP(超広角)+50MP(望遠) |
前面カメラ | 12MP | 13MP | 32MP |
バッテリー容量 | 3349mAh | 4492mAh | 5240mAh |
充電 | ・最大20W(有線) ・15W(MagSafe) | ・最大18W(有線) ・7.5W(ワイヤレス) | ・最大90W(有線) ・50W(ワイヤレス) |
防水防塵性能 | IP68 | IP67 | IP68 |
OSとサポート | iOS 17 (最大5年間のサポート) | Android 14 (最大7年間のOS・セキュリティアップデート) | HyperOS 2(Android 15ベース、最大6年間のセキュリティサポート) |
- パフォーマンス:高性能な機種を使いたいなら迷わずXiaomi15。
- リフレッシュレート:120HzならXiaomi 15かGooglePixel8aの二択。iPhone 15は60Hz。
- ディスプレイ:6.1インチが小さく感じるならXiaomi15一択。
- カメラ機能:Leica監修のカメラと望遠を使いたいならXiaomi15。iPhone 15とPixel 8aは望遠は非搭載。
- 充電機能:時間がないときに60分以内でフル充電できるXiaomi15は最強。iPhone15とGooglePixel8aは一般的な20w前後でしか充電できない。


まとめ

- 高性能Snapdragon8 Elite搭載
- 6.36インチのコンパクトボディ
- Leica 監修 50 MP トリプルカメラ
- 90 W充電で60分以内にフル充電可能
- おサイフケータイ非対応
- iPhoneユーザーは慣れるまで時間がかかるかも
- 小型でも性能に妥協したくない人
- スマホで写真・ゲームを存分に楽しみたい人
- 価格と性能のバランスを重視する人
- 短時間でフル充電したい人
- おサイフケータイを使いたい人
- スマートフォン購入に10万円以上は出せない人
- カメラ性能にこだわらない人
Xiaomi 15 は「コンパクト × ハイエンド × コスパ」という希少なポジションを確立しています。
おサイフケータイが使えないのはマイナス点ですが、トータルで優秀なスマートフォンだと思います。
今までiPhoneしか使ったことがない方や、より高性能なAndroidスマートフォンを探している方は、買い換え候補としてチェックしてみてください。
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