ラジオは、音声だけで情報やエンターテイメントを提供するメディアです。ラジオを聴くと、想像力や記憶力が高まり、脳の活性化につながると言われています。しかし、本当にラジオを聴くと頭が良くなるのでしょうか?
実は脳科学的にもラジオを聴くと脳に良い影響がでるという結果が出たのです!
そこで今回は、ラジオを聴くと人間の脳にどんな変化が出るのか、解説します。
わたし、ラジオって聴いたことないんだけど、
ラジオを聴くと頭が良くなるっとこと??
そう!ラジオは脳にとてもいいんだよ!
ラジオを聴くと脳のどの部分が活性化するのか?
Gerd AltmannによるPixabayからの画像
ラジオを聴くと、まず耳から入った音声情報が脳の聴覚系に伝わります。聴覚系は、音声の高さや強さや方向などを認識し、言語や音楽などの意味を理解する役割を担っています。
聴覚系は、脳の左右両方に広がっており、左側は言語や数字などの論理的な情報を処理し、右側は音楽や感情などの感覚的な情報を処理します。
ラジオでは、パーソナリティーやゲストの話や音楽や効果音など、様々な音声情報が流れます。これらの音声情報は、聴覚系だけでなく、以下の3つの脳部分とも連携して処理されます。
ラジオを聴くことで刺激される3つの脳部分
1.記憶系:音声情報を記憶したり思い出したりする部分です。ラジオでは、自分の経験や知識と関連付けて音声情報を記憶したり、以前聞いたことがある話や曲を思い出したりします。
2.視覚系:目から入った光の情報を処理する部分です。ラジオでは、目に見えないものを想像したり描いたりすることで視覚系が刺激されます。例えば、パーソナリティーやゲストの顔や表情や服装や場所などを想像したり、物語やニュースや旅行先などの風景や場面を想像したりします。
3.感情系:感情や気分をコントロールする部分です。ラジオでは、音声情報によって感情が動かされたり変化したりします。例えば、笑い話やホラー話で笑ったり怖がったりしたり、感動話や切ない話で涙したり胸が熱くなったりしたり、好きな曲やアーティストで嬉しかったり興奮したりしたりします。
これらの脳の部分は相互に影響しあって、脳全体が活性化されますが、特に右脳はイメージ力や創造力に関係する部分であり、ラジオでは右脳がよく働きます。
そういえば、右脳を使うと頭が良くなるって聞いたことある!
左利きの人は右脳をよく使うっていうよね!
で、左利きの人は頭の回転が速いって聞いたことある!
ラジオを聴くと頭が良くなるという実証実験とは?
Sachu SanjayanによるPixabayからの画像
ラジオを聴くと脳が活性化されるということは、脳科学的に説明できるそうですが、実際にラジオを聴くと頭が良くなるということは、どのように証明できるのでしょうか?
実は、2020年にラジオアプリのradiko株式会社が行った世界初の実証実験で、ラジオを聴き続けることで脳の成長が促進されることが明らかになりました。
この実証実験では、大学生8名が1日2時間以上、1ヶ月間にわたってラジオを聴き続けました。ラジオを聴く前と後のMRI脳画像を撮影し、脳科学者の加藤俊徳医師が独自開発した国際特許技術を用いて脳画像を解析しました。その結果、以下のようなことが分かりました。
ラジオが脳に与える3つの影響
1.ラジオを聴き続けることで、記憶系脳番地※が最大で2.4倍、聴覚系・理解系脳番地※が最大で2倍成長した。
2.特に右脳の記憶系脳番地※の成長が顕著であり、ラジオを聴くことでイメージ力や創造力が高まったことが示唆された。
3.記憶系や聴覚系・理解系は、学習やコミュニケーションに重要な役割を果たすため、ラジオを聴くことで学力や社会性の向上に寄与する可能性がある。
※脳番地とは:加藤医師が提唱する脳の分類法。左脳・右脳を合わせて約120区画に分かれている脳を、聴覚系/記憶系/思考系/視覚系/理解系/伝達系/感情系/運動系の8系統のエリアに大別する。
▼対象者の抽出条件
ラジオ聴取経験 | ・あり:4名(男女各2名) ・なし:4名(男女各2名) |
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ラジオ聴取者のラジオ聴取頻度 | ・週に3~4日程度:1名 ・週に1~2日程度:1名 ・月に1日未満:1名 ・月に1~3日程度:1名 |
大学 | ・東京大学:4名(男女各2名) ・東京大学以外の関東の大学:4名(男女各2名) |
その他条件 | ・習い事が「楽器」以外 ・趣味が「楽器演奏、バンド活動」以外 ・部活サークルの所属経験が「吹奏楽、合唱、軽音楽」以外 ・喫煙なし ・飲酒頻度:週1回未満 |
この実証実験は、ラジオ聴取と脳の成長の関係をMRI画像診断で解析した世界初のものであり、ラジオを聴くことが頭が良くなる効果をもたらすことを科学的に裏付けました。
▼ラジオを聴く前と聴いた後の脳のMRI画像
参照:radiko公式サイト
「右脳の記憶系脳番地」が活性化しているのが分かるよね!
脳に番地があるのがビックリ!
脳ミソが黒くなっているのがその証拠なのね!
ラジオを聴くメリットとおすすめの方法
作者: mybears
ラジオを聴くことは、脳科学的にも実証的にも頭が良くなることが分かりました。では、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
ラジオは音声だけで情報やエンターテイメントを提供するため、想像力や記憶力や集中力などの能力を鍛えることができます。
ラジオを聴くメリットとは
ラジオを聴くことには、以下のようなメリットがあります。
ラジオを聴く3つのメリット
1.知識が増える:ラジオには様々な番組があり、外国語やニュースや趣味など、自分の興味のある分野を学ぶことができます。
2.最新の情報を聞ける:ラジオは音声だけで放送ができるので、テレビよりも情報の速さが早いことがあります。日常生活で何かトラブルがあったときに、すぐに知りたい情報を得ることができます。
3.頭の体操になる:ラジオは目で見るものではなく耳で聴くものです。そのため、言葉を想像力で補完する脳の働きが強化され、記憶力や集中力や理解力などが向上します。
ラジオを聴くことで、記憶系や聴覚系や理解系などの「脳番地」と呼ばれる脳のエリアが活性化し、脳内にイメージとして視覚情報が構築されることが分かりました。
ラジオは手軽に聴くことができるメディアであり、通勤や通学や仕事中や入浴中など、自分の生活スタイルに合わせて好きな番組や音楽を選んで聴くことができます。
また、ラジオは仕事や家事や勉強などをしながら聴くことができるため、時間や場所を選ばないのがメリットのひとつです。
これは、ラジオが「ながら視聴」に適したメディアであることを示しており、ながら視聴とは、他の作業をしながらラジオを聴くことを意味します。
ラジオは目で見る必要がなく、耳で聴くだけで情報やエンターテイメントを得ることができるので、ながら視聴は、時間の有効活用や多様な情報の収集に役立ちます。
最近では「ASMR」という、視覚を刺激することで脳がリラックスできる感覚を楽しむ人も増えていますが、ラジオはまさにこのAMSRにふさわしいメディアだといえるでしょう。
ラジオを聴くことには、これらのように多くのメリットがあります。では、ラジオを聴くときには、どのような方法がおすすめなのでしょうか?以下にいくつかの方法を紹介します。
ラジオを聴く方法
ラジオを聴く方法はおもに次の3つがあります。
ラジオを聴く3つの方法
1.ラジカセで聴く
2.カーオーディオで聴く
3.スマートフォンやパソコンで聴く
1.ラジカセで聴く
ラジオはラジカセ(ラジオカセット)で聴くことができます。
中高年以上の世代なら、ラジカセをよく利用していたという人も多いでしょう。ラジカセとはラジオが聴けつつ、カセットテープの再生もできるという機器のこと。その後、CDも聴ける「CDラジカセ」も普及しましたね。
若い人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、最近では昔のカセットテープを聴きたいという若い人も増えているようで、ラジカセの魅力があらためて見直されています。
2.カーオーディオで聴く
マイカーを所有している人なら、カーオーディオでラジオを聴くことができます。
車の中ではお好みの曲を聴く人が多いでしょうが、たまにはラジオを聴いてみてはいかがでしょうか。
普段は車でラジオを聴かない人が、たまたまラジオのスイッチを入れて聴いたらすっかりハマってしまった!ということもあるようです。
筆者の地元である沖縄では、観光客の皆さんがレンタカーの中でラジオを聴いて、それ以来ラジオを普段の生活に取り入れたという人も多いようですよ。
3.スマートフォンやパソコンで聴く
以前はラジオを聴く手段としては、ラジカセや携帯ラジオ、カーオーディオなどしかありませんでした。
しかし、インターネットが普及した現在では、スマートフォンやパソコンでもラジオを聴くことが可能になりました。
ネットでラジオを聴くためには、いろんな方法がありますが、筆者のオススメはradikoというアプリです。
radikoはスマートフォンやパソコンからダウンロードして利用可能。自分の居る地域のラジオ局の放送は無料で聴けますが、月額385円(税込)を払うことで、47都道府県全てのラジオ局の放送を聴くことができます。
地方から都会に出てきた人が、自分の故郷のラジオ局が聴きたい!という時には重宝するアプリです。
また、radikoには「タイムフリー機能」というものがあり、お気に入りの番組をリアルタイムで聴けなくても、番組終了から1週間以内なら聴き逃した番組を聴くことができて便利です。
オススメのラジオ番組
ここではラジオ大好きの筆者がオススメするラジオ番組を3つ紹介します。
どれも長年リスナーに愛されている長寿番組ですから、よかったら聴いてみてくださいね。
ホリデー・イン・ポップス21
引用:RBCiラジオ公式サイト
筆者の地元沖縄の番組。リスナーさんのエピソードと共に寄せられるリクエスト曲を流すシンプルな番組で、筆者も仕事中のBGMとして拝聴しています。
リクエスト曲は1960年代から90年代の洋楽に特化しており、40代以上の人には懐かしい、それより若い世代には新鮮な感じで楽しめる番組です。
radikoの普及により、全国各地からリクエストが来ています。
番組名:ホリデー・イン・ポップス21(RBCiラジオ)
パーソナリティー:箕田和男(フリーアナウンサー)
放送時間:毎週日曜14:00~17:00
MUSIC SHOWER Plus₊
引用:RBCiラジオ公式サイト
こちらも沖縄で人気の番組。前身の「MUSIC SHOWER」から数えると2023年4月で16年目に入る長寿番組です。
沖縄以外のリスナーさんも非常に多く、パーソナリティー調べではなんと47都道府県全てにリスナーさんがいるとか。
観光客がレンタカーでたまたま聴いてハマったという人も多いようです。
パーソナリティーが沖縄訛りを混ぜてしゃべる様子は聴いていて思わず笑っちゃいますよw
沖縄のことを知りたい!という人には超オススメの番組です。
番組名:MUSIC SHOWER Plus₊(RBCiラジオ)
パーソナリティー:月~水 狩俣倫太郎アナウンサー(RBC)、くだかまり
木 嘉大雅アナウンサー(RBC)、くだかまり
金 嘉大雅アナウンサー(RBC)、モコ(アイモコ)
放送時間:月~金 10:00~13:55
Green Jacket
引用:interfm公式サイト
「あなたの街のプロゴルファー」を名乗るタケ小山さんが、土曜日の早朝から快調なトークで盛り上げる東京の番組。
基本はゴルフの話題が中心ですが、その他のスポーツや政治、経済の話題まで幅広く取り上げています。なので、ゴルフを全くしないという人でも十分楽しめますよ。ちなみに筆者もゴルフはしませんが毎週楽しんで聴いています。
リクエストでかかる曲は全て洋楽。おもに1960年代から80年代が多いです。
番組名:Green Jacket(inter fm)
パーソナリティー:タケ小山(プロゴルファー)
放送時間:毎週土曜日 5:00~9:00
まとめ
ラジオを聴くことは、脳科学的にも実証的にも頭が良くなる効果があることが分かりました。ラジオは音声だけで情報やエンターテイメントを提供するメディアですが、それだからこそ想像力や記憶力や集中力などの能力を鍛えることができます。
また、ラジオは様々な話題や知識や意見や感情などを伝えるメディアですが、それだからこそ知的好奇心やコミュニケーション能力や表現力などの能力を高めることができます。
さらに最近では、Twitterアカウントがある番組もあり、放送中にいろいろ呟いたり、リスナーさん同士で交流することも可能です。
ラジオを聴くことは、脳だけでなく心も豊かにするメディアです。ぜひ、ラジオを聴いてみてくださいね!
なるほどね。
じゃあ、今度、ラジオ聴いてみようかな!
ぜひ!
ラジオを聴いて賢くなろう♪
コメント
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実はFMとよみの番組の情報によれば夕方5時の夕焼けシャンシャンは2023年4月から毎週月曜日と火曜日に放送が変更になったそうです。恐らく毎週水曜と木曜の夕方5時から7時までは再放送枠の番組で今後新たな生放送の新番組が予定しているそうです。
番組情報ありがとうございます!
夕焼けシャンシャンなつかしいです。
以前は聴いていましたが、ここ何年かは聴いていません。
日々番組は変化していきますね。
また、FMとよみ機会があれば聴いてみたいと思います📻